おたより便をご検討のみな様

寒さの中にも、少しずつ春の気配を感じる頃となりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。かぜつちです。

朝夕の冷え込みはまだ残りつつも、
日差しのやわらかさや空気の変化に、
季節の移ろいを感じる日が増えてきました。
体調を崩しやすい時期でもありますので、
どうぞ無理のないペースでお過ごしください。

 

1月は、昨年からお預かりしている
納品物を進めながらのスタートとなりました。
大甕の加温が間に合わないため、藍染は下染を中心に行いつつ、
100綛糸染めチャレンジに取り組んでいます。
そんな近況も兼ねて、今回はこれまで投稿してきた“糸染め”に
まつわる話をまとめてお届けします。

年始の大きな出来事として、
長年眠っていた和式紡績機「ガラ紡機」を動かすことができました。
臥雲辰致によって明治初期に発明されたこの機械は、
譲り受けた時は全身サビだらけで、部品も不足していました。
構造も分からない状態から、
部品を探し、鉄を加工し、錆を落とし、
機屋の親父さんに教わりながら、
少しずつ本来の姿に近づけてきました。
ゆっくりと糸を紡ぐガラ紡機は、
手紡ぎと非常に近い感覚があります。
これから、この機械で、かぜつちらしい糸づくりが始まります。

ガラ紡機

昨年は走り続けた反動で、
心身ともに空っぽになる感覚がありました。
だからこの冬は、あえて藍染以外の時間を取り、
インプットの季節にしています。
久しぶりに植物染めによる糸染めを学び直し、
過去の研究者が染めた絹糸に触れ、
静かに向き合う時間の大切さを思い出しました。

冬の学び ― 植物染めに向き合う冬の時間

最近、改めて「精練」という工程と向き合っています。
精練は糸に含まれる脂分やロウ分、不純物を取り除き、
繊維を本来の状態に近づける作業。
染まりや風合いを大きく左右する、大切な工程です。

力加減や温度、時間のわずかな違いで結果は変わり、
まだ試行錯誤の連続ですが、
繰り返すうちに「糸は呼吸している」と感じる瞬間があります。
糸と向き合う時間は、自分の呼吸を整える時間でもあるのかもしれません。

精練の見直し




実は藍染は夏のものだけだと思いがちですが、
遠赤外線効果があると言われている為、
ウールを染めることができるので冬にも適した染めなんです。
メリノウールの糸を正藍染で染める機会もありました。
繊維を傷めにくい正藍染ならではの柔らかな風合い。
日常着や肌着に適した藍のあり方を、改めて実感しています。
2020年の過去の投稿から。

メリノウールの藍染

手紡ぎ糸を正藍染で染めると、風合いの良さゆえに空気が抜けにくく、
ムラが出やすいことがあります。
そのムラに悩んだ時、「織物になれば、多少のムラなんて問題ない」と言われ、
心が軽くなりました。

手紡ぎ糸も、始めた頃は太さにムラがありますが、
上達すれば二度と紡げない特別な糸でもあります。
均一さだけでは測れない価値が、糸には確かに宿っている。
藍液の中で、今日も糸が何かを教えてくれている気がします。
2024年の過去投稿です。

糸が教えてくれること

 

寒さが残る日が続きますので、どうぞご自愛ください。
冬の日々も、慌ただしさの中に小さな喜びを
見つけては、少しずつ暖をとりながら歩んで行こうと思います。

また、制作や納品をお待ちいただいている皆さま、
本当にありがとうございます。
お時間をいただいてしまい申し訳ない気持ちと同時に、
信じて待ってくださることへの感謝を、
仕事でお返ししていきたいと思っています。

皆さまの毎日が、少しでも穏やかで温かな時間で満たされますように。

かぜつち


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